老後のお金の整えかた(年金の入金から生活費全般の支払いまでをとにかく自動化する)| 老後の暮らしを整える
母がおれおれ詐欺に遭ってしまったことをきっかけに、両親から、お金の管理を頼まれた。まずは、貯金通帳、印鑑を一式を預かった。
親のお金の管理を頼まれる、といっても、実はいろんな要素が絡んでいる。
貯金通帳、印鑑を物理的に預かる、というのは、もちろん責任重大ではあるものの、「親のお金の管理」のなかでは、実はもっとも簡単なことだ。
実は深い深い沼にはまりがちな「親のお金の管理」の話。
私の親の場合、預かった通帳を確認してみると、ふだんお金の動いていない銀行口座がたくさんあった。まずは、それらを解約することから手をつけた。
解約手続きに入る前に、どの銀行口座を残し、残した口座をどう使っていくか?を考えなければならない。詳細は、銀行口座の使い分け、でていねいに説明しているのでぜひ参考にしてほしい。
ポイントは、
生活費用の口座、貯蓄用の口座の2口座にまとめる
年金の入金口座から、生活費全般ができるだけ自動振替(自動引き落とし)になるよう設定する = 支払い関連はとにかく自動化する
の2点だ。
このとき注意したいのが、生活費用にしようと思っている口座が、すべての自動振替(自動引き落とし)に対応しているか?ということ。
地域によっては、水道代の引き落としができる銀行が限られていることもある。年金の入金は○○銀行で水道代の引き落としが△△銀行、となってしまうと、お金を移動しなければならない。
膝が痛くなったり、病気をしたときに、ATMでお金を引き出し、別の口座に入金するって、地味にたいへんなこと。これは「老後のお金の管理のしかた」としてはNG。
「支払い関連はとにかく自動化」がすごく大事。
ここで面倒くさがらずに、すべてのお金が自動で流れるようにするにはどの銀行口座を残すべきか?をしっかり調べて、必要なら、年金の入金口座も変更する。水道光熱費、税金(たまにの支払いなので、かえって払い忘れの可能性がある)の支払いなど、とにかく、できるかぎり、徹底的に1つの口座にまとめよう。
そして、特に貯蓄用の口座は、できれば家族カード、代理人カードを作ることができる銀行だと、より安心だ。日常的に使う口座ではないので、オンラインバンキングも使えるようにしておくと、思い立ったときに残高確認できるので、すごく助かる。
ちなみに、生活費用の口座も家族カード、代理人カードを作ることができたり、オンラインバンキングも使えるようにしておくとより安心だが、まずは、年金の入金からすべての支払いが自動化できる、また現金の引き出しが楽(ATMが近くにある)ということを優先してほしい。
ここまで整理できたら、上記2口座以外は解約手続きをしていく。解約する口座のお金は、貯蓄用口座にまとめていく。この作業がひととおり終わると、手持ちのお金が簡単に把握できるようになる。(←これがすごく大事)
正直いうと、ここまでの作業については、年金をもらい始めるとき(65歳)までには終わらせておきたい(早ければ早いほど良い)。
銀行口座の解約手続きは、想像以上に手間がかかり、骨の折れる作業なので、先延ばしは厳禁だ!
日々のお金を生活費用口座、貯蓄口座に集約し、2〜3ヶ月経つと、お金の流れが、通帳をみるだけで、ぱっとわかるようになる。
注:クレジットカード、プリペイドカードなどを日常的に使っている場合はクレジットカードの使い方の見直しも必要(おすすめは、クレジットカードからデビットカードへの切り替え。詳細は別途)。また、現金は生活費用の口座から引き出すことになるが、現金の使途もこの時点ではとりあえず保留。
そして、老後のお金の重要な分岐点がここで到来。
毎月の生活費が年金(+仕事をしていたら給与も含める)で賄えている
毎月の生活費が年金で賄えずに、赤字になっている
私の親の場合、父がサラリーマンで厚生年金もあったこと、また、日々の生活がかなり質素ということもあり、1. の状態だった。
一方、長く自営業をされていたりで、年金が国民年金だけの場合、2. の状態になっているケースも多いと思う。
2. の場合は、貯蓄があるかどうか?いくらあるのか?貯蓄がまったくなかったり、少なかったりしても、貯蓄性のある生命保険などはないか?を確認しよう。
毎月の赤字分 × 平均寿命までの年数(男性:81.9歳、女性:87.14歳 あくまでも目安)の貯蓄があれば、なんとかなりそうだ。
一方、貯蓄がない、貯蓄分ではいずれお金が足りなくなる、という場合は、早急に暮らしの見直しが必要になる。
元気で働けるのであれば、働いて収入を得る。そして、日々の生活費をなんとか年金でまかなえられるよう、引っ越しも含めて、暮らしを見直し、生活をコンパクトにする(お金をかけずに暮らせるようにする)しかない。
状況次第では、市町村役場の福祉相談窓口へ。
親族でサポートできるひとがいればサポートをせざるを得ないという流れになりがちだが、サポートする側にも老後の準備は必要になるので(よほどのお金持ちは別にして)いずれにしても、本人の根本的な暮らしの見直しは必須と思う。
高齢の親の暮らしを変えさせるなんて、かわいそう、と感じるひともいるだろう。だが、一時的な感情で、お金のサポートを始めてしまって、後になって、自分が困らないか、よくよく考えてほしい。
ちなみに、老後のお金について、不安を覚えながらも、どうしたらいいのかと、途方に暮れてしまうひともいるだろう。
自分の年金については、ねんきん定期便を確認すれば、将来自分がいくら年金がでる予定なのか、がわかる。その年金で足りれば問題ないし、足りないようなら、足りない分を貯蓄する必要がある、ということ。
例えば、年金だけでは毎月2万円ほど足りなそうだ、と思ったら、65歳から85歳(あくまでも目安)の20年分を準備しようとすると、毎月2万円の貯金で20年かかる、ということ(ある程度の余裕も必要になるので、運用益については考えない)。
もちろん、65歳以降も働き続けるという選択肢もあるが、なかなかにハードモードな老後になることを覚悟したほうがいいだろう。
逆に、貯蓄にかなり余裕があったり、不動産や金融資産などもあるなら、相続についても具体的に考えたほうがいい。
先のことなんてわからない、ではなく、とりあえず平均寿命を目安にして、その時点で、なにが残っていて、誰になにをあげたいのか?その分配で問題は起きないのか?相続税はかかるのか?いくらくらいかかるのか?まずはざっくり書き出してみよう。
具体的に考えてみると、処分しなければいけないものがあれこれあったりと、相続以前に、やるべきことがたくさんあることに気づくと思う。先延ばしせず、元気なうちに、どんどん手を打っていこう。
老後のお金の話って、親のお金のことを考えるようになると、地続きで自分の老後のお金を考えることになる。とにかく、準備は早めにスタートしたほうが後が楽なので、気合いをいれて、はじめの一歩を踏み出そう。
