「共創デザイン」「共創力」の定義文を公開します(書籍『チームプレーの天才』(ダイヤモンド社)の補足記事)
沢渡あまねと下總良則先生の新刊『チームプレーの天才~誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(ダイヤモンド社)(テーマ:共創デザイン)に、紙面ボリュームの都合上掲載できなかった内容をnoteで発信していきます。
この記事はその第一弾。
本書の軸である、「共創デザイン」(9つの要素)と「共創力」(35の能力と行動)の定義文章を公開します。本書と併せて、皆さんの組織の事業計画(組織開発計画)、人材育成計画などの立案と実践にお役立てください。
なお、第二弾、第三弾、第四弾、第五弾は以下です。
1.「共創デザイン」「共創力」とは
本書では、共創して成果を出すために求められる能力や行動を「共創デザイン」「共創力」としてそれぞれ9つの要素と、35の能力や行動に分解した体系図を掲載・紹介しています。
共創デザインは、主に組織に求められる行動でありケイパビリティ(組織能力)。その組織のメンバーや、関わる個人個人が共創で成果を出すための環境を整備したり、動機づけをしたり、能力開発の機会を提供したりなど、組織に求められる行動や能力をいいます。
共創力は、主にメンバー個人個人に求められる能力や行動。共創で成果を出すために必要なもの、および共創活動を通じて得られる(伸ばすことのできる)ものそれぞれを体系化しています。
(これらすべてを1組織、1部署、1人で背負おうとせず、それこそ共創で役割分担して身につけましょう/発揮しましょう。本書でもその点を何度も強調しています)
「共創デザイン」は組織に求められる行動や能力、「共創力」は個人に求められる行動や能力。このように読み解いていただくとよいでしょう。
体系図は以下の記事でも紹介しています。
以下は「共創デザイン」「共創力」それぞれの定義文章です。
(当社(あまねキャリア)の顧問先企業の皆様、講演依頼をくださった皆様などにはPDF版も差し上げます)
2.「共創デザイン」(9つの要素)の定義文章
(1)ビジョンのデザイン
その組織/チーム/プロジェクトや活動のビジョン、ミッション、バリューなど、目指す世界観や実現したいゴールの姿を示すこと、または相手とともに描くこと。
(2)動機のデザイン
その組織/チーム/プロジェクトや活動に対して、相手や自身の興味関心をはじめとする接点を見出し、関わるきっかけやモチベーションを創出すること。かつ、相手や自身の「関わり代」を設計すること。
(3)ストーリーのデザイン
背景、経緯、思いをはじめ、なぜ自分たちがその活動に取り組むのか、獲得できる状態、能力、経験、知識など、その活動により自分たちや関係者がどんな状態になり得るのかを設計すること。結果、その活動にかかわることで相手や自身がどのように変化しうるのか、過去と未来の「ものがたり」を語れるようにし、関係者の参画動機や効力感を高めること。
(4)体験のデザイン
その組織/チーム/プロジェクトや活動のビジョン、ミッション、バリューなど、目指す世界観や実現したいゴールの姿を、相手や自身がイメージできるように(小さな)体験を創出すること。
(5)振り返りのデザイン
定期的または不定期に活動や行動を振り返る場を設け、良かったこと、改善点などを主観的かつ客観的に言語化すること。そこから、今後の活動のブラッシュアップや、組織のあり方、プロセスなどの見直しにつなげること。
(6)余白のデザイン
新たなものごとへのチャレンジ、未来に向けた対話、新しい体験や振り返り、仕事のやり方の改善、人材育成の実施など、リフレッシュのための余白を計画的に設け、かつ目先の仕事で埋めないようにすること。
(7)能力のデザイン
その組織/チーム/プロジェクトや活動のゴール達成のために、または期待される役割を果たすために、足りない能力、体制、文化などを言語化し補うための計画と行動につなげること。
(8)キャリアのデザイン
その組織/チーム/プロジェクトや活動に関わり関係性を継続することで、個人のキャリアにおいては、相手や自身にどのようなキャリアの可能性が広がるのか、組織のキャリアにおいては、組織としてどのような発展や可能性が生まれるのかを言語化し意味づけすること。
(9)変化・成長のデザイン
これまでの活動を通じて得られた変化、成長、想定外の収穫などを言語化し、自分たちのストーリーに反映しつつ、自分たちや関係者の参画や関係性継続のモチベーションをさらに高めること。
3.「共創力」(35の能力と行動)の定義文章
(1)ビジョンニング
その組織/チーム/プロジェクトや活動のビジョン、ミッション、バリューなど、目指す世界観や実現したいゴールの姿をかみ砕きつつ、メンバーや関係者への理解、共感、意味づけを図ること。
(2)ブランディング
その組織/チーム/プロジェクトや活動における自分たちらしさの理解者や共感者であるファンを増やし、推される状態を維持向上すること。
(3)リーダーシップ
メンバーや関係者を動機づけし、組織/チーム/プロジェクトの活動を前に進め、目指す世界観や実現したいゴールの姿へと導くこと。
(4)オーナーシップ
その組織/チーム/プロジェクトの活動やテーマを自分ごとととらえ、前に進めること。
(5)テーマ設定力
相手や自身の興味関心を引き出したり、参画や協力の動機づけを促したりするためのテーマや大義名分を設定すること、またはかみ砕くこと。
(6)問い力
相手や自身の興味関心、意欲、能力、突破口などを見出したり、動機づけを促したりするための問いを設定すること。
(7)観察力
相手や自身の状態の背景に存在する文脈や興味関心を、対話などを通じて直接的に、または伝聞、推察などにより間接的に見極め、その後の適切な働きかけにつなげること。
(8)対話力
自身による価値判断や決めつけはいったん脇に置いて、相手の話や事情をフラットに聞き共感し、理解すること。
(9)言語化力
相手や自身の思い、問題・課題、もどかしさ、ありたい姿などを言葉や図や体験などで表現すること。
(10)俯瞰力
自分たちの強み、弱み、課題、可能性、状況などを客観的に見つめ振り返ること。
(11)具現力
コンセプトや思い、ありたい姿を、行動/活動/組織/プロダクト/サービスなど具体的な形にすること。
(12)期待役割合意力
ゴールを達成するために、相手と自身に求められる期待と役割を相互に可視化し合意すること。
(13)発信力
自分たちの目指す姿、取り組み、変化や成果などを他者および自分たちに知ってもらうよう行動すること。
(14)受信力
自分たちが他者にどう思われているか、世の中と比較してどのようなポジションなのか、および外部や内部の関係者からの期待や関心などを検知・察知すること。
(15)想像力
自分たちの活動や行動がだれにどのような影響を及ぼすのかをイメージできる、または当事者体験や対話、読書などを通じて補うこと。
(16)受容力
関係しうる多様な人たちの立場や事情、可能性、感じ方、思い、もどかしさや喜びなどを理解し、おもんぱかること。
(17)関連づけ力
一見関係のなさそうな複数のテーマや課題をつなぎあわせて立体的に解決すること。そのために、協力を促したり、複数の人や組織をつなぎあわせたり、相手や自身の参画への動機づけを促進したりすること。
(18)面白がり力
新たなテーマや、相手の興味関心を自分ごととして面白がること。その結果、感動できること。
(19)体験力
新しい体験、普段とは異なる体験をし、そこから自分ごととしての学びを得ること。
(20)解放力
場や組織やプロダクトなどを他者に、または多目的に解放(開放)すること。自分たちが想定していなかった意外な可能性を見出し、素直に受け入れること。
(21)コンパッション
他者の苦しみや喜びに心を寄せ、理解して受け入れるまたは和らげようとすること。
(22)ヘルプシーキング行動
ゴールを達成するために、周りに援助や支援を求めることが出来ること、また、自ら相手の援助や支援ができること。および援助や支援を求めあいやすい環境を創ること。
(23)リスぺクティング行動
一方的に自分たちの事情やルールや価値観を押し付けるのではなく、相手と自身の立場、価値観、強み、特性、やりたいこと、事情などを認め合い期待し合う言動や振る舞いができること。およびそれらを促進する環境を創ること。
(24)場創り力
相互理解や対話、ディスカッション、新たな取り組みや行動などを誘発するために、物理的な空間や施設、イベント、活動などの場を創り出すこと。
(25)場使い力
社内外の物理的な空間や施設、イベント、活動などといった、既にある場を活用してコトを起こすこと。
(26)ストーリー力
過去に起こった出来事や体験、またはこれから体験するさまざまな出来事を一連のものがたりとして理解、または語ることで、相手や自身を動機づけること。
(27)偶然設計力
人と人、組織と組織、知識と知識、意欲と意欲、能力と能力などの偶然の出会い、思わぬ発見や変化や成長などを誘発し発見できる力。またはそのための環境を創ること。
(28)プロジェクトマネジメント力
リーダーの思いやゴールをタスクや役割に落とし込み、計画を立て、必要なリソースを管理及び調達し、各所と調整しつつ優先度をつけて着実に目的を達成できるよう旗振り及び支援をすること。
(29)エンパワーメント力(任せる力)
仕事やタスクにおいて、相手と期待・役割を合意しつつ、相手に任せきること。かつ相手をマイクロマネジメントしないこと。
(30)オペレーションデザイン力
新たに発生した業務をプロセスや手順に落とし、着実に再現して成果を出せるよう設計すること。または既存の業務を改善・改良すること。
(31)ダイバーシティ&インクルージョン
多様な立場、特性、価値観を持ち合わせている人を尊重しつつチームを組んだり、多様な体験、経験などを自身が取り入れたりしてそれらを力に変え、課題解決や価値創造できること。
(32)キャリア自律
各自が自身のキャリアを主体的に考え、与えられたテーマや環境、または新たに取り組む活動や行動などから、よりよいキャリアを形成すること。
(33)ネガティブ・ケイパビリティ
不確実性や曖昧さ、すぐに答えや成果を見出せない状況に対し、焦って答えを出そうとしたり、目先の成果や結論を相手に迫ったりしない耐性及び能力のこと。
(34)余白創出
通常業務だけに追われる/追わせるのではなく、新しいことを考えたり、試したり、対話したり、研修を受けたり、リフレッシュしたりなどするための時間や環境を創ること。
(35)越境思考
社内外、地域内外、業界内外など、普段とは異なる環境を行き来したり、普段とは異なる分野の人たちなどと対話や学習をし、活動をともにしたりし、課題解決や価値創造をする発想や行動こと。
4.関連書籍・プログラム
共創デザインに関連する書籍、および私たちが展開するプログラムなどを紹介します。
僕たち(あまねキャリア)のサイトです。共創デザインの解説、および組織への実装支援も致します。
