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内見や現地確認では、何を見ればいいのか。

前回は、家の外側について考えました。

駅までの距離。
日当たり。
騒音。
現地確認。

後悔した人たちの話を読んでいると、家を一度見ただけでは分からないことが、たくさんあるのだと思いました。

昼に見る家と、夜に見る家。
平日に見る道と、休日に見る道。
晴れの日の印象と、雨の日の移動。

内見のときには気づかなかったことが、住み始めてから毎日の暮らしに効いてくることもある。

そう考えたとき、次に気になったのが、今回のことでした。

内見や現地確認では、何を見ればいいのか。

家を見に行くのに、見るべきものが分かっていない。
言葉にすると少し変ですが、正直、私は今までそうだった気がします。

物件サイトを見て、良さそうだと思って、内見に行く。
そこで何を確認するかは、あまり決めていませんでした。

今回は、そのことについて考えてみたいと思います。



内見のときは、思っているより冷静でいられないのかもしれない

まず、自分のことを思い返してみました。

もし気になる物件の内見に行くとしたら、当日はどうなるだろう。

写真で見ていた家を、実際に見る。
「ここに住むかもしれない」と想像する。
家族と話す。
営業担当者から説明を受ける。
場合によっては、「早く決めないと売れてしまうかもしれない」と焦る。

そんな時間の中で、冷静に、抜けなく、全部を見られるだろうか。

たぶん、難しいと思いました。

家の雰囲気が良ければ、それだけで気持ちが動いてしまう。
逆に、少し古さが気になると、そこばかり見てしまう。

そういえば、住宅ローンの回で読んだ相談を思い出しました。

注文住宅を建てた方が、当時をふり返って、こう書いていました。

「一生に一度だから後悔したくない」

その気持ちで走り続けて、返済後の生活をゆっくり想像する余裕がなかった、と。

その相談は、内見そのものの話ではありませんでした。でも、家を決めるときに気持ちが動いてしまうという意味では、少し近いものがあると思いました。

家を買う場面は、決めることが多くて、気持ちも動く。
だからこそ、その場の勢いだけで見てしまうと、あとから「あれを確認しておけばよかった」となるのかもしれません。

内見は、落ち着いて全部を見られる時間とは限らない。

まず、そう思っておくことにしました。


家の中では、収納と生活動線をもう一度見たい

ここからは、実際に何を見るのかを考えてみます。

まず家の中です。

これまでの回で書いてきた後悔の中で、特に多かったのが、収納と生活動線でした。

第3話では、収納の話を書きました。

子どもが小さいうちは足りていた収納が、数年後に足りなくなる。
収納は「広さ」だけではなく、「どこにあるか」が大事なのかもしれない。
そんなことを考えました。

第4話では、生活動線の話を書きました。

間取り図には全部書いてあるのに、その家で暮らす自分たちの動きまでは、想像できていなかった。
洗濯、料理、片付け、子育て。
毎日の動きは、間取り図を見ているだけでは見えない。

だから内見では、家の広さや新しさだけではなく、この二つをもう一度見てみたいと思いました。

たとえば、こんなことです。

収納は、量だけでなく、使う場所の近くにあるか。
玄関に、ベビーカーや外遊びの道具を置く場所はあるか。
掃除機や季節の物、防災用品を、どこにしまうか。
洗濯物を、洗って、干して、畳んで、しまうまで、どう動くか。
キッチンから洗面や浴室までの動きは、ぶつからないか。
家具を置いたあとに、通路は残るか。
コンセントは、使いたい場所にあるか。

こうして並べてみると、家は「きれいに見る場所」ではなく、「毎日使う場所」なのだと、あらためて思います。

内見のときに、間取り図を見ながら、雨の日に子どもと帰ってきた自分を想像してみる。
買い物袋を持って、どこに置くかを考えてみる。

そういう見方をするだけでも、少し違う気がしています。


家の外では、駅までの道と周辺環境を見たい

次に、家の外側です。

前回、第8話で書いたことの続きになります。

駅徒歩◯分という数字は、物件情報に必ず書いてあります。
でも、その道を毎日どう使うかは、数字だけでは分かりません。

前回読んだ相談の中に、駅から遠い家を買って、子どもが大きくなってから、結局、親が駅まで送り迎えをすることになった、という話がありました。

家を買うときは、今の自分たちの通勤を考えます。
でも、家は長く住むものです。
子どもが小さい時期もあれば、一人で出かける時期もある。
親が年を取る時期もある。

だから、駅までの道は、実際に歩いてみたいと思いました。

坂道はあるか。
信号はいくつか。
歩道は狭くないか。
車通りは多くないか。
ベビーカーや自転車で通れるか。
夜は暗くないか。
子どもの通学路として、安心できるか。
スーパーや病院、学校、公園へは行きやすいか。

家の中がどれだけ気に入っていても、駅までの道が毎日つらかったら、その負担は毎日続きます。

前回、「駅徒歩◯分という数字より、その道を毎日使えるかが大事なのかもしれない」と書きました。
今も、そう思っています。


昼と夜、平日と休日では、同じ場所でも見え方が違う

第8話の予告で、私はこう書いていました。

昼だけでなく夜、平日と休日、駅までの道や周辺の音なども、後悔事例を読みながら考えてみたい、と。

今回、内見について調べていて、まさにそこに触れている記事を読みました。

一つは、リフラット不動産さんの「内見で気づきにくい 大切なポイント」という記事です。

そこでは、間取りや広さ、設備の新しさに目がいきがちだけれど、暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった」と感じるのは、意外と別のところにある、と書かれていました。

たとえば、昼間は静かでも、夜になると人の流れが変わって、時間帯によっては騒がしく感じることもある、と。

もう一つ、ミラクル不動産さんの「建売住宅で後悔しないために」という記事も読みました。

そこでは、内見は最低2回行くことをすすめていました。
1回目は平日の昼間、2回目は週末の夕方以降。
時間帯や曜日を変えることで、騒音や日当たり、周辺の雰囲気の違いが見えてくる、と書かれていました。

どちらも、専門家の側から書かれた記事です。
でも、言っていることは、後悔事例を読んでいて感じたことと近いと思いました。

一度、昼に見ただけで、その場所のすべてが分かった気になってはいけない。

昼と夜。
平日と休日。
晴れの日と雨の日。

同じ場所でも、見え方は変わる。

もちろん、全部の時間帯に行くのは難しいと思います。
仕事もあるし、遠い物件なら何度も通えないこともある。

それでも、少なくとも、「昼に一度見ただけで判断しない」という意識は、持っておきたいと思いました。


音、におい、空気感は、その場でしか分からない

家の外側の中でも、特にその場に行かないと分からないものがあります。

音、におい、空気感です。

第8話で、線路沿いの家の相談を読みました。

線路から10mもない場所に家を建てた方が、購入前に、日中と夜に何度も足を運んでいました。
在来線はそこまで気にならなかったけれど、貨物列車は平日の夜遅くに音が聞こえて、家も少し揺れた、と。

音は、物件情報の写真には写りません。
間取り図にも書いてありません。

窓を開けたときに、どんな音がするか。
道路や線路、近くのお店から、においはしないか。
風通しはどうか。
湿気はこもらないか。
隣や上下の階の生活音は、どのくらい聞こえそうか。

リフラット不動産さんの記事でも、見た目の印象だけでなく、日常の使いやすさに目を向けることが、後悔の少ない選択につながる、と書かれていました。

写真や図面では、空気感までは分からない。

だからこそ、内見のときに、少しだけ立ち止まって、耳を澄ませたり、窓を開けさせてもらったりしたいと思いました。

マンションなら、部屋の中だけでなく、ゴミ集積場や駐輪場、掲示板、共用部分の管理の様子も見ておきたいです。
そういうところに、その建物の暮らしやすさが出るのかもしれません。


物件情報の数字だけでは、暮らしは分からない

ここまで考えてきて、あらためて思ったことがあります。

物件情報には、たくさんの数字が並んでいます。

駅徒歩10分。
3LDK。
80㎡。
南向き。
築年数。
価格。
月々の返済額。

家探しを始めた頃の私は、この数字を見て、良さそうかどうかを判断していました。

でも、後悔事例を読んできて、数字だけでは見えないことがあるのだと分かってきました。

駅徒歩10分でも、坂道が多いかもしれない。
80㎡でも、収納が少ないかもしれない。
南向きでも、隣の家の影で、昼間も暗いかもしれない。
3LDKでも、家族の暮らしに合わない間取りかもしれない。
月々の返済が払えても、固定資産税や修繕費まで含めると、余白がないかもしれない。

数字は、家を探すときの入口としては、とても分かりやすいです。

でも、その数字の外側に、暮らしがある。

内見は、その「数字の外側」を確かめる時間なのかもしれません。


不動産会社の記事を読んで、確認することの多さに驚いた

今回、後悔事例だけでなく、不動産の側から書かれた記事もいくつか読みました。

ミラクル不動産さんの建売住宅の記事では、購入前に確認したい項目として、土地の条件、周辺環境、日当たりや風通し、騒音やにおい、建物の仕様、施工会社、将来の売却のしやすさ、ハザードマップ、住宅ローン、不動産会社の対応、といったものが整理されていました。

内見のときには、蛇口をひねって水圧を見る、照明をすべてつけたり消したりする、換気扇を回してみる、建具を開け閉めして異音がしないか見る、といった確認もすすめられていました。

リフラット不動産さんの記事では、昼と夜で変わる周辺環境や、日常の使いやすさに目を向けることの大切さが書かれていました。

読んでいて、正直に思ったのは、確認することが、思っていた以上に多いということです。

私は専門家ではありません。

だからこそ、こうやって、何を確認すればいいのかを、先に知っておきたいと思いました。

不動産の仕事をしている方なら、当たり前に見ているところなのかもしれません。
でも、初めて家を買う私にとっては、一つひとつが「言われないと気づかない」ことばかりでした。


確認したいことが多すぎて、頭の中だけでは覚えきれない

ここまで書いてきて、少し困ったことに気づきました。

見たいこと、確認したいことが、多すぎるのです。

収納。
生活動線。
コンセント。
住宅ローン。
固定資産税。
修繕費。
駅までの道。
日当たり。
騒音。
におい。
夜道。
ゴミ集積場。
共用部分。
ハザードマップ。
そして、営業担当者に聞いておきたいこと。

こうして並べるだけで、かなりの数になります。

しかも、内見の当日は、家の雰囲気に気持ちが引っ張られるかもしれない。
営業担当者の説明を聞いて、家族とも話して、限られた時間で部屋を見て回る。

その中で、これを全部、冷静に思い出せるでしょうか。

私は、たぶん無理だと思いました。

家に帰ってから、「あれ、コンセントの位置を見てなかった」「夜の様子を見ていなかった」と気づく。
そういうことが、きっと起きる気がします。

後悔した人たちも、収納や生活動線を「知らなかった」わけではありませんでした。
知っていたのに、その場では確認しきれなかった。

だとしたら、私も同じことになりそうです。

知っているだけでは足りない。
その場で、ちゃんと思い出せる形にしておかないといけないのかもしれません。

だから私は、家を見に行く前に、確認したいことを、一度自分用に整理してみたいと思いました。

頭の中だけで覚えようとするのではなく、紙かメモにして、内見のときに持っていけるようにする。

そうすれば、家の雰囲気に気持ちが動いても、「これは見た」「これはまだ」と確かめられる気がします。


内見は、暮らしを確認する時間なのかもしれない

今回、内見や現地確認について考えてみて、私の中で一つ、言葉が残りました。

内見は、「家を見る時間」というより、「その場所で暮らす一日を想像する時間」なのかもしれない。

家の中を見る。
外を歩く。
昼と夜を見る。
音を聞く。
数字の外側を確かめる。

そのどれもが、「この家に住みたいか」だけでなく、「この場所で暮らし続けられそうか」を確かめる作業なのだと思いました。

もちろん、一度の内見で、すべてを判断するのは難しいです。
完璧に確認できる人は、きっと多くないと思います。

それでも、何を見たいのかを事前に整理しておくだけで、見落としは少し減らせるかもしれない。

今は、そう思っています。


家を見に行くとき、みなさんは何を確認していますか。

収納、生活動線、駅までの道、日当たり、騒音、夜道、ゴミ集積場、共用部分、そしてお金のこと。

私は、調べれば調べるほど、見ることが多いなと感じています。

「ここは見ておいた方がよかった」
「これは意外と見落としやすい」
「住み始めてから気づいた」

そういうことがあれば、教えていただけると嬉しいです。

私もまだ、家探しの途中です。
みなさんの経験が、私にとっても、これから家を探す人にとっても、きっと参考になると思います。


次回予告

次回は、これまで読んできた後悔事例をもとに、家を見る前に確認したいことを、少し整理してみようと思います。

収納。
生活動線。
お金。
駅までの道。
日当たり。
騒音。
夜道。
ゴミ集積場。
共用部分。

そして、今回まだ深く扱えていない、ハザードマップのこと。

家を見に行く前に、何を確認しておけばいいのか。

自分用のチェックリストを作るつもりで、考えてみます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


これまでの記事

第1話|なぜ人は分かっていたのに後悔するのか
https://note.com/iesagashi_log/n/nd60c0cf45dad

第2話|家を買った人の後悔を50件調べたら、家探しの見方が変わった話
https://note.com/iesagashi_log/n/n055f18afc2c1

第3話|子どもが大きくなったら収納が足りなくなった話
https://note.com/iesagashi_log/n/naeb4ecec8943

第4話|間取り図を見ていたのに、なぜ生活動線は見えていなかったのか?
https://note.com/iesagashi_log/n/n4316a1291abb

第5話|未来は思ったより変わる。住宅ローンで後悔した人たちを読んで、私が一番怖いと思ったこと。
https://note.com/iesagashi_log/n/n93bd2e40d935

第6話|審査に通る金額なら、本当に安心して返していけるのか。
https://note.com/iesagashi_log/n/n10e3d42d141b

第7話|月々の返済だけ見ていたら、見落としそうなお金があった。
https://note.com/iesagashi_log/n/n4fa825658cbf

第8話|家の中ばかり見ていたら、家の外側を見落としそうになった。
https://note.com/iesagashi_log/n/n021faa2c1811


今回読んだ記事

・建売住宅で後悔しないために|購入前に確認すべき注意点10選(miracle株式会社)
https://www.miracle-estate.jp/blog/detail774134/

・内見で気づきにくい 大切なポイント 後悔しないための住まいの選び方(リフラット不動産)
https://fudousan.reflat.co.jp/blog/entry-786059/

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