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『Beep21』真・セガハード列伝 ─ マルコン開発物語・第8話─名付けてマルコン─


まえがき

第7話で、アナログ入力ユニットの委託会社を、ホール素子を使用した富士通高見澤に変更することにしました。そして、コントローラーの設計も依頼したいと考えました。そのお願いは富士通高見澤としても意外だったはずです。

▼前回(第7話)はこちらから

設計のやり直しで、開発予定は2ヵ月ぐらい遅れています。ここから巻き返すことができるでしょうか。
開発をやり直すことになったのだから、もう一工夫したくなってきました。

「真・セガハード列伝」ナビゲーター・戸崎健司(とさきけんじ)。『Beep21』の「真・セガハード列伝」の企画兼ナビゲーター。セガでコンシューマゲーム機の開発部門に所属し、周辺機器などの開発を担当。セガ入社はメガドライブが発売された1988年。セガ退職はドリームキャスト撤退時の2001年。13年間セガのハード開発部門に在籍した当時の話はこちらの記事で掲載中。

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第7話までの史実の整理

  • 1995年7月21日

    • 任天堂バーチャルボーイ発売

  • 1995年11月24日

    • ファミコンスペースワールド'95でNINTENDO64発表

    • コントローラとプレイアブルなスーパーマリオ64を初公開

  • 1995年11月24日

    • セガサターン版バーチャコップ、バーチャガン発売

  • 1995年12月5日

    • NiGHTS開発チームを中心にソフト開発部門でアナログコントローラーの企画が話し合われ、アナログコントローラー「C-01」の開発がスタート。(第1話

  • 1995年12月中旬

    • アナログ入力デバイスの提案を各部品会社に依頼。(第2話

    • ソフト開発部門からのアナログコントローラーのアイデア収集(第3話

  • 1995年12月末

    • 手作りサンプルを何種類も作成(第4話

  • 1995年12月14日

    • 任天堂本社にて、NINTENDO64の説明会を開催

  • 1996年1月

    • ソフト開発部門で手作りサンプルを評価し、意見交換(第4話

    • アナログ入力時の操作性について検証(第5話

  • 1996年1月中旬

    • ホシデンのアナログ+デジタル一体型ユニットを採用

  • 1996年1月31日

    • C-01のアナログチャンネル数、ボタン数などの機能決定(第6話

  • 1996年2月初旬

    • グリップ型コントローラーのデザイン開発。3Dスキャンして設計開始(第6話

  • 1996年2月中旬

    • ホシデンのアナログ+デジタル一体型ユニット、採用断念。設計、デザインもやり直しへ(第6話

  • 1996年2月20日頃

    • 富士通高見澤からホール素子型アナログ入力スティックの提案(第7話

  • 1996年2月末

    • ホール素子型アナログ入力スティックの採用決定(第7話

  • 1996年3月初旬

    • コントローラーの開発を富士通高見澤に依頼。(第7話

  • 1996年3月8日

    • NINTENDO64発売延期発表。※4月21日から6月23日へ

  • 1996年6月23日

    • NINTENDO64、スーパーマリオ64発売

  • 1996年7月5日

    • セガサターン「NiGHTS」、「マルチコントローラー」発売

標準コントローラーになるならば、拡張可能にしたい(1996年3月初旬)

アナログ+デジタル一体型方向キーの開発がキャンセルとなり、仕切り直しになったアナログコントローラー、C-01の開発。

アナログ入力デバイスをどうするか悩んでいる一方で、C-01の仕様について再考していました。新しい標準コントローラーとして、アナログ方向キーを追加しただけでいいのか。もっと他にアイデアはないか。もっとゲームがおもしろくなるアイデアはないか。

アイデアはいくつかありました。

振動モーター搭載の検討

時代は1996年。携帯電話の日本国内普及率は10%を超えたところです。PHSも発売され、周囲でも携帯電話を持ち始めた人が増え始めたころです。
携帯電話には、振動モーターが搭載されはじめたころでした。振動で着信を伝えたり、アラームを鳴らすのを体験したゲーム開発者ならば、「これをコントローラーに入れられないか」と考えるわけです。はい、もちろんセガでも考えました。
とはいえ、振動モーターをどこから調達するのか。どの会社が、大量の数量を供給してくれるのか。耐久性はどうか。消費電力はどれくらいか。本体からそれに見合う電力が供給できるのか。振動をゲームにはどうかしたらいいのか。回転数の制御はどうするか。いや、振動モーターが適切なのか。別の手段はないか。
たくさんの調査や研究が必要でした。

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