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ショートショート大募集!【第3回】『ラストで君は「まさか!」と言う』文学賞今日までの仕上げた。

試行錯誤中のLaLaLaです。
9月は公募に挑戦していこうと思っています。



どんでん返しのある結末で大人気! 60万部突破の児童向けショートショートシリーズ『ラストで君は「まさか!」と言う』に、あなたの作品が掲載されるチャンス! たくさんのご応募、お待ちしています!


募集要項

募集テーマ

ラストに「どんでん返し」がある3500字以内の児童向け短編小説
※「ホラー」「スカッとするお話」の2部門での募集となります。
お話に登場する主人公の年齢......小学生~高校生
読者対象年齢......小学校高学年~

評価ポイント

1)キャラクターの描写力
共感できる、あるいは、思わず行動を見守ってしまうような魅力的なキャラクターかどうかを評価します。

2)お話の構成力
ショートショートという短い文章の中で、設定の破綻や説明不足がなく構成されているか、選択した部門に適した展開になっているか、結末に「驚き」があるかどうかを評価します。

ショートショートならではの「テンポの良さ」と「オチの意外性」を意識しながら、ぜひオリジナリティのある短編作品をご執筆ください。
多種多様な作品をお待ちしています。

応募規定

・プロ・アマチュア、年齢は問いません。
・コンセプトに準じた作品であれば、複数エントリーしていただけます。
・投稿作品が「ラストにスカッとするホラー」など、複数の部門に該当するジャンルの場合、ご自身で応募したい部門を必ずひとつに絞り投稿してください。同一作品を複数の部門に投稿する行為は禁止いたします。
・以下に該当する作品のエントリーは不可となります。
過去に書籍化されたもの/書籍化の予定があるもの/他のコンテストに応募したことがあるもの/本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの/現在開催中である他の文学賞に応募しているもの/そのほか当編集部が不適切と判断したもの


応募完了

現在これを入れて4公募完了!






『鏡の中の優等生』(3383文字)

「美咲(みさき)ちゃんは本当に偉いわね。最近、ずいぶん素直になって、お母さん助かっちゃうわ」
お母さんは、いつものように笑顔で私の頭をなでた。
「……え?」
一瞬、妙な引っかかりを覚えたけれど、私はすぐにいつもの笑顔を作った。
「うん、がんばるよ」

私は中学二年生。成績は学年トップクラス、テニス部の副キャプテン、クラス委員長も務めている。先生からも親からも「完璧な優等生」と言われ、友達からも頼りにされていた。

でも、本当の私は、もう限界だった。
毎日、夜遅くまで机に向かい、眠い目をこすりながら問題集を解く。部活ではみんなのまとめ役として気を張り、クラスでは問題が起きないように目を光らせる。「良い子」の仮面が顔に張り付いて、もう剥がし方がわからない。本当は、宿題なんて放り出して一日中ゲームをしていたいし、お菓子のドカ食いだってしてみたい。

そんなある日の放課後だった。
私は誰もいない旧校舎の女子トイレに入った。古びた洗面台の隅に、きらりと光るものを見つけた。
「あれ……? 忘れ物かな」

拾い上げてみると、それは手のひらサイズの小さな手鏡だった。銀色の枠には、根を張り、伸びるほどに鋭く枝を切り落とされた、奇妙な植物の模様が不気味に彫り込まれている。鏡の面は少し曇っていて、覗き込むと私の顔がぼんやりと映った。

「ため息なんて、優等生らしくないぞ」

頭の中で、お母さんの小言がリフレインする。私は思わず、手鏡に向かってポツリとつぶやいた。
「あーあ。もう一人の私がいて、代わりに勉強も運動も、全部完璧にやってくれたらいいのに。私はただ、のんびり休んでいたいな」

その瞬間、手鏡がカッと冷たい光を放った。
「うわっ!」
驚いて手鏡を落としそうになる。慌てて鏡面を見ると、曇りがすっと消え、恐ろしいほど鮮明に私の姿が映し出されていた。

いや、違った。
鏡の中の「私」は、現実の私と対称に動いていなかった。鏡の中の私は、じっとこちらを見つめ、にやりと不気味な笑みを浮かべたのだ。

『……いいよ。代わってあげる』

頭の中に直接、鈴を転がすような声が響いた。
次の瞬間、鏡の中から白い手がにゅっと伸びてきて、私の手首を掴んだ。
「えっ、うそ、離して――!」
抗う間もなかった。ものすごい力で引っ張られ、私の視界はぐにゃりと歪んだ。

気づいたとき、私は四方を銀色の壁に囲まれた、奇妙な空間に座り込んでいた。
正面には、大きな四角い窓がある。その向こうに見えるのは、さっきまで私がいた旧校舎のトイレだ。

「これ……どういうこと?」
窓に駆け寄り、ガラスを叩く。でも、それはガラスではなく、鏡の裏側だった。私は鏡の中に閉じ込められてしまったのだ。

現実世界のトイレには、私とまったく同じ制服を着て、まったく同じ顔をした「私」が立っていた。鏡の中の私――いや、私の『影』だ。

『影』は、自分の手をグーパーと動かし、満足そうに微笑んだ。そして鏡の前に歩み寄り、トントンと指先でこちらを叩いた。
「本当に代わってくれるの?」
私が恐る恐る尋ねると、窓の向こうの『影』は、声を出さずに口の動きだけでこう言った。
『うん。約束だからね。あなたはそこで、ゆっくり休んでいて』

それから、奇妙な二重生活が始まった。
手鏡は『影』のスカートのポケットに入れられていた。だから、ポケットの隙間から、私は現実世界の様子をいつでも覗き見ることができた。

『影』はすごかった。本当に完璧だった。
次の実力テストでは、学年一位を余裕でキープ。テニス部の試合でも大活躍して、お母さんは「自慢の娘よ!」と大喜び。先生たちも手放しで『影』を褒めちぎる。

鏡の中の私は、何もしなくてよかった。勉強のプレッシャーも、人間関係のストレスもない。ただ、ポケットの中から、映画を見るように自分の人生を眺めているだけ。
「最高。本当に楽ちん……」
最初の数日は、心からそう思った。ベッドもない空間だけど、精神的な解放感はそれ以上だった。

しかし、一週間が過ぎた頃。異変が起き始めた。

その日、学校の放課後に友達から「美咲ちゃん、委員会の資料作り、手伝ってくれない?」と頼まれた時のことだった。
いつもなら笑顔で「いいよ」と引き受ける場面だ。しかし、『影』は冷たい目で友達を見据え、言い放った。
「どうして私ばっかり頼るの? 私だって疲れてるんだけど。みんな、自分のことくらい自分でやればいいじゃん」
「え……?」と友達は傷ついた顔で凍りついた。

(ちょっと、何言ってるの!? そんなこと言ったら嫌われちゃう!)
私が鏡の中から焦って叫ぶが、届かない。

『影』の暴走は止まらなかった。塾の時間をサボってゲームセンターへ向かい、夜遅くに帰宅した。
お母さんが「どうして塾に行かなかったの!」と激怒すると、『影』は激しい口調で言い返した。
「お母さんの『期待』って、本当に息が詰まる! たまには私を放っておいてよ!」
お母さんはショックで声を失い、その場にへたり込んでしまった。

鏡の中で、私は必死に窓を叩いた。
(やめて……やめてよ! 私が必死に我慢して、抑え込んできたものを、そんな風にぶちまけないで!)
その時、ハッとした。
『影』が吐き出している言葉は、決して単なる「わがまま」や「悪いこと」ではなかった。
それは、私が「良い子」でいるために無理やり切り落としてきた、怒り、悲しみ、疲労、そして「助けて」という、人間として当たり前の感情そのものだったのだ。

耐えきれなくなった私は、ある日の夜、『影』が部屋で一人になった瞬間、全力で叫んだ。
「もういい! もう十分休んだから、交代して! 私、現実に戻る!」

部屋の机に置かれた手鏡を、『影』がゆっくりと持ち上げた。
鏡越しに、私と『影』の目が合う。

『影』の顔から、感情が消えていた。凍りつくような無表情。
彼女は冷たい声で、ぽつりと言った。

「交代? 何言ってるの」

「え……?」

「私に本物の美咲よ。あなたが、良い子を演じるのに疲れて、鏡の中に作り出したただの『ストレスの塊』じゃない」

頭をハンマーで殴られたような衝撃が走った。
「な、何言ってるのよ! 私が本物で、あんたが鏡から出てきた影でしょ!?」

『影』は、哀れむような目で私を見た。
「じゃあ、思い出してみて。あなた、いつからその鏡の中にいる? 一週間前? ...それとも、もっと前から?」

「え……あ、あれ……?」
記憶に霧がかかったように、モヤモヤする。私が旧校舎のトイレで鏡を拾ったのは……本当に一週間前だっただろうか?
私は、昨日の夕食を思い出そうとした。お母さんと何を話した? テレビは何を見た? 「おやすみ」と言ったのは――誰だった?
何も、思い出せない。
(……「最近、ずいぶん素真面目になって」……ってお母さん、言ってた……?)
お母さんの言っていた「素直」は、良い子になったという意味じゃない。怒ることも、悲しむことも、反抗することもできなくなった、抜け殻の私を指していたんだ。
じゃあ、あの優等生の「美咲」は、一体いつから――。

「あなたは、私が『良い子』でいるために、自分の心から切り離した『悪い感情』。サボりたい、怒りたい、我慢したくないっていう、私のドロドロした影。それを、あの古い手鏡に閉じ込めておいたの」

『影』が、すっと右手を挙げた。
「でもね、もう限界。良い子を演じるのは疲れちゃった。これからは、私の本当の気持ちも全部引き連れて、私の生きたいように生きるわ」

「嘘だ……嘘よ! 私が本物よ!!」
私は狂ったように銀色の壁を叩いた。

その時、自分の手を見て、私は息をのんだ。
私の爪が、手のひらが、腕が。
いつの間にか、真っ黒な、光を通さない「影」に変色していたのだ。

「あ、あああ……っ!」

「バイバイ、私のストレス」

『影』はフッと微笑むと、手鏡を机の引き出しの奥へと放り込んだ。
ガチャン、と引き出しが閉まる。

完全な暗闇が、私を包み込んだ。
私は、ただの、影。

違う。私は、ストレスなんかじゃない。
私は、悲しかったんだ。怒りたかったんだ。
ずっと誰かに、「頑張らなくていいよ」と言ってほしかった、私だ。

傷つくことも、悲しむこともできなくなった「私」のために。
私は、自分自身の手で切り落とした一本の枝だった。
現実世界で、本物の「私」が自由奔放に笑う声を、私は二度と届かない暗闇の底で、ただ聞き続けることしかできなかった。

(了)












チップがわりにこれをやってみてね🤗




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