承認資料は、1枚目でほぼ決まる
こんにちは。りくです。
資料を作っていると、ついこう考えてしまうことがあります。
まず背景を説明して、
次に現状課題を説明して、
そこから必要性を伝えて、
最後に結論を出す。
この流れ自体は、決して間違いではありません。
ただ、承認をもらうための資料では、少し注意が必要です。
読む側は、最初からじっくり順番に読んでくれるとは限らないからです。
特に上司や決裁者は、細かい説明より先に、
何を承認してほしいのか。
いくらかかるのか。
どんな効果があるのか。
リスクはあるのか。
今、判断しないといけないのか。
ここを先に見ています。
だから承認資料では、最初の1枚がかなり大事になります。
最初の1枚は、説明の入口ではなく判断の入口
承認資料の1枚目は、ただの表紙ではありません。
「これから説明します」という入口にしてしまうと、読む側は最後まで見ないと判断できません。
でも、承認してほしい相手が最初に知りたいのは、細かい経緯よりも先に、
結局、何を決めればいいのか
です。
たとえば、設備を導入したい場合。
最初の1枚に、こう書かれていたらどうでしょうか。
・設備導入を承認してほしい
・投資額は3,000万円
・年間効果は4,000万円見込み
・回収目安は9か月
・主なリスクは現場定着と立ち上げ期間
・承認してほしい事項は、予算確保と導入開始
ここまで見えていれば、読む側はかなり判断しやすくなります。
逆に、最初の数枚を読んでも何を決める資料なのか分からないと、どうしても不安になります。
この不安が、差し戻しにつながります。
上司は「内容」より先に「判断できるか」を見ている
資料を作る側は、どうしても内容を詳しく書こうとします。
背景を丁寧に書く。
課題を細かく書く。
比較表を入れる。
効果を説明する。
リスクも補足する。
どれも大事です。
ただ、承認資料では、詳しいことを書けば通るわけではありません。
大事なのは、上司が判断できる状態になっているかです。
ここを外すと、資料の情報量が多くても、
「で、何を決めればいいの?」
「どれくらい効果があるの?」
「リスクは見ているの?」
「他の案と比べたの?」
「今やる理由は何?」
となります。
これは、資料の出来が悪いというより、判断に必要な情報の出し方がずれている状態です。

最初の1枚に入れるべきこと
承認資料の最初の1枚には、最低限これを入れておくと整理しやすくなります。
1. 承認してほしい内容
何をOKしてほしいのか。
導入なのか。
購入なのか。
予算確保なのか。
検討開始なのか。
ここが曖昧だと、読む側は判断できません。
2. 背景
なぜこの話が出てきたのか。
今どんな問題があるのか。
なぜ放置できないのか。
ただし、長く書きすぎる必要はありません。
1枚目では、細かい説明ではなく、判断に必要な背景だけで十分です。
3. 費用
いくらかかるのか。
初期費用なのか。
ランニング費用もあるのか。
どの予算で見る話なのか。
お金の話を後ろに回すと、読み手は途中で引っかかります。
4. 期待効果
どれくらい効果があるのか。
工数削減なのか。
品質改善なのか。
売上増加なのか。
リスク低減なのか。
できれば、数字で置いた方が判断しやすくなります。
5. リスク
承認資料では、リスクを隠すより、先に出した方が安心されます。
リスクがないように見せるよりも、
「リスクを把握した上で、対策も考えています」
という見せ方の方が信頼されます。
6. 希望する判断
最終的に、
承認してほしいのか。
方向性だけ確認してほしいのか。
追加検討の許可がほしいのか。
予算取りを進めたいのか。
ここをはっきり書くことが大事です。
背景から書き始めると、結論がぼやけやすい
承認資料でよくあるのが、背景説明から入りすぎるパターンです。
たとえば、
「近年、業務量が増加しており、現場負荷が高まっています」
「品質要求の高度化により、従来の運用では対応が難しくなっています」
「監査対応や顧客要求への対応も増えています」
こういう説明は、決して悪くありません。
でも、これが何枚も続くと、読む側は途中でこう思います。
それで、何をしたいの?
資料を作っている側は、順番に説明しているつもりでも、読む側は先に結論を知りたい。
ここにズレがあります。
だから、承認資料では最初にサマリーを置いた方がいいです。
最初に結論を見せてから、後ろで背景や課題を説明する。
この順番の方が、読む側は安心して読み進められます。
サマリーは、最後に作ってもいい
ここで少し注意したいのは、最初の1枚が大事だからといって、最初に完成させる必要はないということです。
むしろ、実際の作業では最後に整える方が作りやすいです。
先に、
背景
現状課題
必要性
比較案
推奨案
費用対効果
リスク
承認依頼
を整理する。
そのうえで、最後に1枚目のサマリーへ要点を戻す。
この順番の方が、内容にズレが出にくくなります。
ただし、読み手に見せる順番としては、サマリーを最初に置く。
ここがポイントです。
作る順番と、見せる順番は違っていていい。
承認資料では、この考え方を持っておくだけでもかなり作りやすくなります。
承認資料は、説明資料ではなく判断資料
承認資料で大事なのは、きれいに説明することではありません。
相手が判断できるように整えることです。
そのためには、最初の1枚で全体像を見せる必要があります。
結論。
費用。
効果。
リスク。
承認してほしいこと。
この5つが最初に見えているだけで、資料はかなり読みやすくなります。
逆に、ここが見えないまま細かい説明に入ると、どれだけ丁寧に作っても伝わりにくくなります。
承認資料は、最初の1枚でほぼ決まる。
これは少し言い切りすぎに見えるかもしれません。
でも、実務で資料を見てもらう場面では、本当にそれくらい最初の1枚が大事です。
テンプレート化すると、毎回迷わなくなる
承認資料を毎回ゼロから作ると、
何から書くべきか。
どこまで説明するべきか。
費用対効果はどのページに置くべきか。
リスクはどの程度書くべきか。
最後に何を承認してもらうべきか。
ここで毎回迷います。
でも、最初から型があれば、かなり楽になります。
たとえば、
1枚目にサマリー
次に背景
現状課題
必要性
目的と期待効果
代替案比較
推奨案
費用対効果
リスクと対策
承認依頼
という流れがあれば、毎回ゼロから構成を考えなくて済みます。
資料作成でしんどいのは、文字を打つことよりも、流れを考えることです。
だからこそ、承認資料こそテンプレート化しておく意味があります。
そしていよいよ、
承認(稟議)資料テンプレート も公開に向けて準備しています。
比較表テンプレート、提案資料テンプレートと続けてきましたが、
今回はその次の段階です。
比べる。
伝える。
そして、承認をもらう。
この流れの中で、承認資料はかなり重要な位置にあります。
ただ、承認資料は毎回ゼロから作ろうとすると、どうしても迷いやすい資料です。
何を1枚目に置くべきか。
費用対効果をどう見せるべきか。
リスクをどこまで書くべきか。
最後に何を承認してもらうべきか。
このあたりで手が止まりやすい。
だから今後の記事では、承認資料で特に迷いやすいポイントをもう少し整理しながら、
その流れの先で、承認をもらうためのテンプレート も公開していく予定です。
あわせて読みたい
比較表テンプレートの考え方については、こちらの記事でまとめています。
提案資料テンプレートを作った理由については、こちらの記事でまとめています。
比較表・提案資料・承認資料の流れについては、こちらの記事で整理しています。
・資料作成は「比べる→伝える→承認をもらう」でうまくいく
次回は、承認資料でよく止まりやすい「効果の見せ方」について書きます。
「効果があります」と書いているのに、なぜ上司は承認しにくいのか。
その理由を整理していきます。
この記事が、少しでも資料づくりの時短やヒントになったらうれしいです。
今後も実務で使える型を整理していきますので、役に立ちそうだと思ったらスキで応援してもらえると励みになります。
