中3娘、受験戦線より帰還!武装解除して人間に戻った日。
まだ、本命高校の合否は出ていない。
昨日受けた私立高校のオープン入試が、最後の入試となった。
でも、娘に言わせると、
「ここが面接重視の学校なら、
駄目だ。落ちるー!」
らしい。
面接官が、かなり意地悪だったという。
というか――
オープン入試なら、実力主義にしてくれよ!
って話だ。
かなり感じが悪く、
答えられない質問もあったらしい。
一方、三教科のペーパーテストは、
「簡単だった」
とのこと。
倍率は、
たぶん4倍くらいじゃなかろうか。
でも、もうどうでもいいのだ。
ここは、
娘が大好きなアーティストの母校。
記念受験なのだ。
合格発表の日に校門の前まで行って、
「〇〇の母校!」
と笑いながら、
記念写真だけ撮ってくればいい。
合否なんて、それでいい。
それよりも――
昨日、
私立高校の入試を終えて帰ってきた娘に、
私は驚いた。
娘がアンドロイドマシーンから
「人間」に戻ったのだ。
これは、何より一番重要なことだった。
先日、
パパが、
こんなことをこぼしていた。
「おれは、とりあえず、
あの子に人間らしさを
取り戻してほしい。
あれじゃ、人間らしさがないよ……。
勉強ができるだけじゃ、ダメだよ」
確かに。
受験期の娘は、
感情的で、
機嫌が悪く、
いつもイライラしていた。
まるで、とげとげしいアンドロイド。
勉強以外は、
睡眠と風呂以外、
すべて塾。
家にいても、
会話らしい会話はほとんどない。
家の中がおかしかった。
娘が勉強しているだけなのに、
家族全員が、
どこか気を遣っていた。
息子が娘のそばへ寄って行っても、
遠ざけられる。
その分、
息子は遊び相手を探して
パパにベッタリになる。
休日に、
パパが競馬をやっていても、
酒を飲んでいても、
息子にターゲットロックされている。
パパも相手をしてやるしかない。
私も、いつもイライラしていた。
家の中に、笑い声がなくなっていた。
それが、だ。
昨日、すべての入試が終わった途端に
我が家は、
笑いのある普通の平和な家庭に戻った。
もう、塾もしばらくお休み。
もちろん、娘は勉強する必要もない。
本人も、
何をしていいのか分からないようで
ちょっと手持ち無沙汰だった。
でも。
久しぶりに、
たまりにたまった好きなアーティストの録画を、
たんまりと見始めた。
すると、
息子も一緒になって、
娘にくっついてゴロゴロしている。
息子は、
娘にポケモンの話を聞いてもらって、
そばにくっついていられれば、
それで満足なのだ。
娘がしていることに付き合えれば、
それでいい。
邪険にさえされなければ、
それだけで、
姉を慕う気持ちは満たされるらしい。
だから、
パパが食卓で飲んでいても、
息子がパパに付きまとうこともない。
夫婦でくだらない会話をして、
大声を出して笑っても大丈夫。
息子が突然やってきて、
私とパパと息子の三人で、
急にくすぐりっこ大会が始まって
大騒ぎしても、
全然問題ない。
家の中に、笑い声が戻ってきた。
娘は、ストーブの前に転がり、
好きな本を読む。
眠くなれば、ウトウトする。
そして、
「ママ~、
腰マッサージして~。
ちゃんとお返しもするから〜。」
と、私の布団にもぐりこんでくる。
娘はニタニタしている。
久しぶりに、腰をもんであげる。
すると、
「うー、あー、気持ちいい!」
と、嬉しそうにしている娘。
その横で、
息子も真似をしている。
そんな、何でもない夜だった。
机に向かうことがなかった娘の夜。
勉強のことを考えなくていい夜。
家族とくだらない話をして、
笑って、
ゴロゴロするだけの夜。
家族の一人が、
勉強マシーンから人間に戻った日。
もしかしたら、
こんな日も
一瞬戻っただけに過ぎないのかもしれない。
本命高校の合否が出れば、
また何かが変わるかもしれない。
それでも。
これが、我が家のいつもの平和なのだ。
確かに、受験は大変だ。
娘の人生を左右することなのだから、
大変なことなのは分かっている。
でも、
それによって家の中が、
どれほど緊張状態にあったのか。
娘が人間に戻ったことで、
それがよく分かった。
普通が一番。
家族4人、
ギスギスしないで、
普通に会話して、
普通に笑える。
それが幸せなのだ。
家族なのに、
家庭の中に奇妙な緊張状態が続く。
それは、すごくつらい。
娘は、よく頑張った。
本当に、よく頑張った。
でも、私は――
娘がニコニコと笑っている姿が、
一番嬉しい。
バカなママは、
あんなにムカついていた娘に対して、
たった数時間、
笑顔を見せられただけで、
瞬時に愛しさが回復する。
母親なんて、
そんなものなのかもしれないよね。
どうか
こんな静かな幸せが、
続きますように。
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我が家の子育てを最初から読むなら
夫婦ともに高卒。
教育に詳しかったわけでも、特別な教育方針があったわけでもありません。
悩んで、失敗して、迷いながら二人の子どもを育て、結果的に二人とも慶應大へ。
我が家の子育ての原点を書いた記事です。
