
小鵬、VWとの協業モデルを世界へ開放――欧州本格進出、車両開発から製造・アフターサービス、Physical AIまで
[メンバーシップ限定]小鵬汽車(XPENG)は2026年10月12日、パリ・モーターショーに合わせた発表会で、自社のスマートEV技術を世界の自動車メーカーなどへ提供する方針を明らかにした。
何小鵬董事長兼CEOは、Volkswagenとの協業を紹介したうえで、今後はスマートEV技術の協力対象を世界へ広げ、研究開発、製造、アフターサービスまでを含む一体的な技術ソリューションを提供すると説明した。
さらに、協力対象はスマートEVにとどまらない。ロボタクシー、ヒューマノイドロボット、空飛ぶクルマ、物理世界基盤モデルなど、同社が構築しているPhysical AIの技術体系についても、外部との協力を広げる構想を示した。
小鵬はすでにVolkswagenとの間で電子・電気アーキテクチャや車両の共同開発を進めている。今回の発言は、こうした技術協業を特定の大手メーカーとの関係にとどめず、世界の企業へ展開しようとするものである。
10月11日までにCHINA CASEが報じたG9Lの欧州現地生産や、国連の自動運転関連組織への参加とは別に、今回の発表会では、小鵬の技術そのものを外部事業へ広げる方向が示された。

Volkswagenとの協業を出発点に
何小鵬氏は発表会で、2023年にVolkswagenが中国のスマートEVメーカーを評価した結果、小鵬を協業相手に選んだ経緯を紹介した。
Volkswagenは小鵬に出資し、両社は電子・電気アーキテクチャから完成車の共同開発まで、協力範囲を広げてきた。
小鵬にとってVolkswagenとの関係は、自社開発技術を他の完成車メーカーに提供する事業モデルの先行例となっている。
今回、何氏はその延長線上で、スマートEV技術に関する協力を世界へ開放すると表明した。
ただし、今回の発表でVolkswagen以外の新たな契約先が具体的に示されたわけではない。

車両技術だけでなく、開発からアフターサービスまで
小鵬が提示したのは、個別の車載ソフトウェアや電子部品を供給するだけの構想ではない。
何氏は研究開発、製造、アフターサービスまでを含むワンストップの技術ソリューションに言及した。
完成車メーカーが他社へ技術を提供する場合、一般にはプラットフォーム、電子・電気アーキテクチャ、ソフトウェア、運転支援システムなどが協力対象となる。
これに対し小鵬は、車両を開発し、製造し、顧客へ届けた後のサービスまで含めて協業範囲を広げようとしている。
もっとも、発表会では具体的な契約方式や収益モデルは説明されていない。技術ライセンス、共同開発、受託開発、製造支援などをどのように組み合わせるかは、今後の具体的な案件を待つ必要がある。

Physical AIも外部協力の対象に
さらに注目されるのが、スマートEV以外の事業領域である。
小鵬は自社を単なる自動車メーカーではなく、Physical AI企業と位置付けている。
何氏は今回、AI自動車、ロボタクシー、ヒューマノイドロボット、空飛ぶクルマなどを、共通する技術基盤から発展する領域として説明した。
そして、こうしたPhysical AIの技術体系についても、世界の企業との協力を進める考えを示した。
重要なのは、完成車事業で蓄積したAI技術を自社の別製品に転用するだけではなく、外部企業との協業にも活用しようとしている点である。
ただし、物理世界基盤モデルの外部提供が、モデルそのもののライセンスなのか、共同開発なのか、あるいは製品単位での技術協力なのかは明らかではない。
