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#20|こんなに氣をつけているのに、なぜ子どもが熱中症になるのか?

熱中症シリーズ
〜命を守る完全ガイド〜

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熱中症から命を守る

知らなかったでは済まされない、
予防・後遺症・暑さに備えるカラダづくり

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第3章|熱中症になりやすい人・環境を知る

#20|こんなに氣をつけているのに、なぜ子どもが熱中症になるのか?──────────────────────────────────

「帽子もかぶせた。」

「水筒も持たせた。」

「何度も『水を飲んでね。』と声をかけた。」

それでも、

子どもが熱中症になってしまうことがあります。

「こんなに氣をつけていたのに、なぜ?」

そう感じる親御さんもいるのではないでしょうか。


もちろん、

暑い日に無理をしたり、

水分補給が十分できなかったりして、

熱中症になることもあります。

しかし、

保護者が十分に氣をつけていても、防ぎきれない場合があります。

それが、

子どもの熱中症です。


その理由は、

子どものカラダが、大人とは違うからです。


暑さからカラダを守る仕組みも。

危険を感じる力も。

自分で体調を管理する力も。

まだ成長の途中にあります。

だからこそ、

子どもの熱中症では、

「子ども本人が氣をつける。」

だけでは十分ではありません。

周りにいる大人が、子どもの代わりに危険を予測し、守ること。

それが、とても大切になります。


前回の#19では、

高齢になることで起こるカラダの変化から、

高齢者がなぜ熱中症になりやすいのかを見てきました。

今回は反対に、

まだカラダが成長の途中にある子どもについて考えていきます。



■|子どもは「小さな大人」ではない

子どもと大人では、

カラダの大きさが違うだけではありません。

成長段階によって、

暑さに対するカラダの反応や、

自分で危険を避ける力にも違いがあります。


特に乳幼児では、

体温を一定に保つための機能そのものが成長の途中にあります。

暑くなれば、

大人とまったく同じように熱を外へ逃がせる。

必要になれば、

自分で水分をとれる。

危険を感じたら、

自分から休める。

とは限りません。

だからこそ、

子どもの熱中症では、
カラダの特徴だけでなく、
自分で体調を管理することが難しいという特徴も知っておく必要があります。



■|体温を調節する力が成長の途中にある

暑い環境では、

カラダは皮膚へ血液を送り、

汗をかき、

その汗を蒸発させることで、

体内にたまった熱を外へ逃がそうとします。

これは、

これまで第1章で見てきた、

命を守るための体温調節です。


しかし、

子ども、特に乳幼児では、

こうした体温調節に関わる機能がまだ成長の途中にあります。

そのため、

暑い環境の中でカラダに入ってくる熱と、

外へ逃がせる熱のバランスが崩れると、

体温が上昇しやすくなります。


実際に、

日本スポーツ振興センターでも、

乳幼児はカラダの特徴や機能が成長過程にあるため、

小学生や大人と比べて重症の熱中症を発生する可能性が高いと注意を呼びかけています。

「子どもは元氣だから暑さにも強い。」

そうとは言えないのです。



■|子どもは、大人より暑い環境にいることがある

もう一つ、

大人が見落としやすい違いがあります。

それが、

子どもの「高さ」です。

真夏の道路。

アスファルト。

コンクリート。

公園の地面。

校庭。

こうした場所は、

太陽からの熱だけでなく、

地面そのものが熱くなり、

強い照り返しが発生します。

子どもは大人より身長が低いため、

地面からの熱の影響を、

より強く受けやすくなります。

大人が、

「今日はそこまで暑くないかな。」

と感じていても、

子どもは、

もっと厳しい暑さの中にいるかもしれません。

特に、

ベビーカーに乗っている乳幼児。

歩き始めたばかりの子ども。

地面に近い場所で遊ぶ子ども。

こうした場面では、

大人が感じる暑さだけで判断しないことが大切です。



■|遊びに夢中になると、自分の異変に氣づきにくい

子どもは、

遊びやスポーツに夢中になります。

友達と遊ぶ。

ボールを追いかける。

虫を探す。

公園で走り回る。

そんな楽しい時間には、

「暑い。」

「少し疲れた。」

「頭が痛い。」

というカラダからのサインより、

遊び続けたい氣持ちが勝ってしまうことがあります。


だから、

保護者が

「疲れたら休むだろう。」

と思っていても、

実際には、

無理を続けてしまうことがあります。

子どもは、自分の体調の変化に十分氣づかないまま、活動を続けてしまうことがあります。

これも、

熱中症が起こる理由の一つです。



■|子どもは、自分の状態をうまく伝えられないことがある

大人であれば、

「頭が痛い。」

「氣持ちが悪い。」

「フラフラする。」

と、

自分の体調を言葉で伝えられることがあります。


しかし、

子どもは年齢によって、

自分のカラダで何が起きているのかを理解できないことがあります。

特に小さな子どもでは、

「眠い。」

「抱っこ。」

「帰りたい。」

そんな言葉や行動の裏に、

熱中症が隠れていることもあります。

だから、

「本人が何も言わないから大丈夫。」

ではなく、

いつもと違う様子はないか。

という視点で見守ることが大切です。



■|「水筒を持たせた」だけでは安心できない

ここは、

多くの保護者が誤解しやすいところかもしれません。

もちろん、

水筒を持たせることは、とても大切です。

帽子をかぶせることも。

声をかけることも。

どれも必要な対策です。


しかし、

それだけでは十分とは限りません。

遊びに夢中になって、

水を飲んでいないこともあります。

「あとで飲もう。」

と思ったまま、

時間が過ぎてしまうこともあります。


だから、

「持たせた」ではなく、

「実際に飲めているか。」

まで見ることが大切です。

休憩も同じです。

「疲れたら休んでね。」

ではなく、

大人から休憩を入れること。

これが、

子どもの熱中症予防では、とても重要になります。



■|学校やスポーツでは、大人の判断が命を守る

学校。

部活動。

スポーツクラブ。

運動会。

夏の大会。

子どもたちは、

さまざまな場面で暑い環境の中で活動します。

ここで大切なのは、

「子どもが頑張れるか。」

ではありません。

「今日は続けても安全な環境なのか。」

を、大人が判断することです。


氣温だけでなく、

湿度。

暑さ指数(WBGT)。

休憩時間。

その日の体調。

暑さへの慣れ。

さまざまな条件を考えながら、

活動を続けるのか。

休憩するのか。

中止するのか。

を判断する必要があります。


実際、

日本スポーツ振興センターでは、

学校管理下で起きた熱中症事故について、

氣温だけではなく、

湿度や活動内容なども含めて判断する重要性を示しています。



■|「周りの子が元氣だから」は判断基準にならない

同じ場所で遊んでいても。

同じスポーツをしていても。

熱中症のなりやすさは、

一人ひとり違います。

寝不足。

疲労。

朝食を食べていない。

体調不良。

暑さへの慣れ。

体格。

こうした違いによって、

熱中症のリスクは変わります。

だから、

「みんな元氣だから。」

ではなく、

その子自身を見てあげること。

それが、

早く異変に氣づくためには大切です。



■|子どもの熱中症は、大人の行動で防げるものがある

もちろん、

どれだけ注意していても、

すべての熱中症を防げるわけではありません。


しかし、

子ども自身では選べないことがあります。

いつ外へ行くか。

どのくらい遊ぶか。

いつ休憩するか。

いつ水分を飲むか。

続けるか。

やめるか。

その多くは、

周りの大人が決めています。


だから、

保護者の皆さんが、

帽子をかぶせる。

水筒を持たせる。

声をかける。

休憩を取らせる。

こうしたことは、

決して間違っていません。

どれも、

子どもの命を守るために大切なことです。


その上で、

もう一つ知っておいていただきたいことがあります。

子どもは、大人とは違う。

その違いを知り、

子ども本人の判断だけに任せず、

大人が先回りして危険を予測すること。

それが、

子どもの熱中症予防では、とても重要になります。



■|今日からできること

暑い日に子どもと過ごすときは、

今日の暑さや暑さ指数を確認する。

活動する時間帯を工夫する。

帽子や服装を確認する。

水分を持たせるだけでなく、

飲めているかを見る。

時間を決めて休憩を入れる。

いつもと違う様子がないか観察する。

そして、

少しでも異変を感じたら、

無理を続けさせない。

子どもの熱中症予防は、

「子どもが頑張ること」ではなく、

「大人が先に氣づくこと」。

ぜひ、この視点を持っていただけたらと思います。



■|まとめ──子どもの命を守れるのは、周りにいる大人です

子どもは、

大人より小さいだけではありません。

体温を調節する力も。

暑さを感じる環境も。

自分で体調を管理する力も。

まだ成長の途中にあります。


だから、

保護者が十分に氣をつけていても、

熱中症になってしまうことがあります。

だからといって、

熱中症になったという結果だけを見て、

「もっと氣をつけていれば防げたはず」

と単純に考えることはできません。

子どもには、大人とは違う特徴があるからです。

その違いを知ること。


そして、

子どもの「大丈夫。」

を、そのまま信じるのではなく、

周りの大人が少し先回りして守ること。

それが、

子どもの命を守ることにつながります。

熱中症は、

異変が起きてから対応するだけではありません。

異変が起こる前に氣づくこと。

その積み重ねが、

子どもの未来を守ることにつながります。



|次回予告

#21|若くて元氣でも油断できない──働く世代・スポーツで起こる熱中症

若く、

体力があり、

普段から元氣に動いている人でも、

熱中症になることがあります。

仕事中。

屋外作業。

スポーツ。

部活動。

イベント。

「若いから大丈夫。」

「体力があるから大丈夫。」

そんな思い込みが、

無理を続ける理由になることがあります。

次回は、

若く健康な人にも熱中症が起こる理由と、どんな場面で危険が高まるのか

について考えていきます。



|参考・出典

・環境省「熱中症予防情報サイト」
 熱中症の基礎知識・熱中症を引き起こす要因・熱中症予防の基本

・独立行政法人 日本スポーツ振興センター
「熱中症発生のメカニズムと対策(乳幼児編)」
(体温調節機能の未熟さ・照り返し・体調を言葉で伝えにくいこと・大人による見守り)

・独立行政法人 日本スポーツ振興センター
「熱中症発生のメカニズムと対策(児童・生徒編)」
(学校・スポーツ活動における熱中症予防、WBGT、環境・個人・運動条件)

※本記事の内容は、執筆時点で公的機関が公表している情報をもとに作成しています。



|関連記事

今回の記事とあわせて、

高齢者や子どもだけではなく、

「そもそも、どんな条件で熱中症になりやすくなるのか」

を知っておくと、

自分や家族の危険をより早く予測できるようになります。

関連記事 #18|熱中症はどんな人がなりやすい?──リスクを知ることが予防の第一歩

そして、

高齢の家族がいる方には、

こちらもあわせて読んでいただきたい記事です。

関連記事 #19|高齢者はなぜ熱中症になりやすい?──加齢による変化を知る



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子どもの熱中症では、

その日の水分補給や暑さ対策だけでなく、

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日々のカラダづくりにもつなげていただけたらと思います。



|シリーズ一覧

第1章|熱中症の正体を知る(全9記事・公開済)

「熱中症とは何か」から始まり、体温調節の仕組み、発症メカニズム、重症化する理由まで、熱中症の本質を体系的に学べる章です。

第1章|熱中症の正体を知る

🟠 #0|なぜ今、熱中症を学ばなければならないのか

熱中症を今学ぶ必要性と、本シリーズを通して身につけてほしい知識と行動について解説しています。

🟠 #1|熱中症とは何か──まず知っておきたい基本

熱中症の定義と、体温調節が破綻することで起こる病態の基本を解説しています。

🟠 #2|熱中症を防ぐ体温調節の仕組み──人はなぜ体温を保てるのか

人間が体温を一定の範囲に保つために働く、汗や皮膚血流などの体温調節機能を解説しています。

🟠 #3|熱中症はどう起こる?──カラダの中で起きていること

熱中症が発症するまでに、熱・血液・水分・脳や臓器にどのような変化が起きるのかを解説しています。

🟠 #4|熱中症は誰でもなる──「自分は大丈夫」が一番危ない

年齢や体力に関係なく、誰にでも熱中症が起こる可能性がある理由を解説しています。

🟠 #5|熱中症は予防できる──起きる前の判断が命を守る

熱中症を防ぐために必要な基本的な考え方と、早い段階で行動を変える重要性を解説しています。

🟠 #6|熱中症になると何が起こる?──全身に及ぶ影響

熱中症が進行したとき、脳・心臓・血管・腎臓・筋肉・肝臓・血液凝固など、全身へどのような影響が及ぶのかを解説しています。

🟠 #7|熱中症が命を奪う理由──死亡と後遺症を防ぐために

熱中症が重症化すると、なぜ死亡や後遺症につながることがあるのか。命を守るために知っておきたい危険性と、早期対応の重要性を解説しています。

🟠 #8|第1章まとめ──熱中症を正しく知ることが命を守る第一歩

熱中症の仕組みや危険性など、第1章で学んだ大切なポイントを整理した記事です。



第2章|熱中症の症状を知る

熱中症では、どのような症状が現れるのか。

初期症状から重症化のサイン、受診の判断まで、熱中症を見逃さず、命を守るために知っておきたい症状と対応を学ぶ章です。

🔵 #9|熱中症ではどんな症状が出る?──見逃してはいけないサイン

熱中症では、軽い異変から命に関わる症状まで、さまざまなサインが現れます。症状全体を俯瞰し、第2章で何を学ぶのかをわかりやすく解説しています。

🔵 #10|これって熱中症?──最初に現れやすい初期症状

めまい、立ちくらみ、大量の発汗、こむら返り、頭痛、吐き氣、倦怠感など、熱中症の初期に現れやすい症状と、「まだ大丈夫」と見過ごさず早めに氣づくことの重要性を解説しています。

🔵 #11|熱中症の危険なサインを見逃さない──重症化を疑う症状

意識がおかしい、呼びかけへの反応が鈍い、まっすぐ歩けない、けいれん、高体温など、熱中症の重症化を疑う危険なサインと、迷わず救急要請につなげることの重要性を解説しています。

🔵 #12|熱中症では汗はどう変わる?──汗が出ない・汗が止まらないとき

大量の汗や、暑いのに汗が出にくい状態など、熱中症で見られる汗の変化と、汗だけでは重症度を判断できない理由を解説しています。

🔵 #13|熱中症?それとも別の病氣?──見分けるときの考え方

熱中症と似た症状を示す病氣もあります。熱中症を疑うことは大切ですが、思い込みによって重大な病氣を見逃さないための考え方を解説します。

🔵 #14|この症状、大丈夫?──熱中症の重症度を見極める考え方

熱中症のⅠ度からⅣ度までの重症度分類と、症状や全身状態の変化を見ながら、必要な対応を考えるための重症度の考え方を解説しています。

🔵 #15|病院へ行く?救急車を呼ぶ?──熱中症での受診判断基準

熱中症が疑われたとき、病院を受診するタイミングや救急車を呼ぶ判断基準について解説しています。意識や反応、水分摂取の可否、症状の改善など、命を守るために知っておきたい受診判断のポイントを学べます。

🔵 #16|少し良くなっても油断しない──熱中症はその後の見守りも大切

熱中症では、症状が軽くなっても安心とは限りません。改善後も見守るべきポイントや、無理に活動を再開しないことの大切さについて解説しています。

🔵 #17|第2章まとめ──熱中症の症状を知ることが命を守る

熱中症の初期症状や危険なサイン、重症度、受診判断、改善後の見守りなど、第2章で学んだ大切なポイントを整理し、異変に早く氣づき、必要な行動につなげるための考え方をまとめています。



第3章|熱中症になりやすい人・環境を知る

熱中症は誰にでも起こる可能性がありますが、その危険性は年齢、体調、持病、生活環境、活動内容などによって変わります。
第3章では、「危険な人」を決めつけるのではなく、どんな危険な条件が重なっているのかを見て、熱中症になる前に危険を予測する力を身につけていきます。

🟢 #18|熱中症はどんな人がなりやすい?──リスクを知ることが予防の第一歩

熱中症のなりやすさは、年齢や体調、生活環境、活動内容などによって変わります。「危険な人」ではなく「危険な条件が重なっていないか」という、第3章全体の土台となる考え方を解説しています。

🟢 #19|高齢者はなぜ熱中症になりやすい?──加齢による変化を知る

加齢によって、暑さやのどの渇きを感じにくくなり、体温調節機能なども変化します。高齢者が熱中症になりやすい理由と、本人の感覚だけに頼らず、周囲が見守ることの大切さを解説しています。

🟢 #20|こんなに氣をつけているのに、なぜ子どもが熱中症になるのか?(今回の記事)

帽子や水分補給などに氣をつけていても、子どもが熱中症になることがあります。子ども特有のカラダや行動の特徴と、周囲の大人がさらに一歩先回りして守るために知っておきたいことを解説しています。




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BODY Change ブレスマスター 矢川 純 最後まで読んで頂き、有難うございます。チップは必要ありません。これからもあなたがSHP(超健康体)になるための記事を全力で執筆しますので、実践”して超元氣になって下さい!良い記事には「スキ」や「シェア」をお願いします^^