ファンタジー小説『猫から始まる世界征服』を一話三行で振り返ったら、だいたい様子がおかしかった
猫耳少女のために国を作る
ラブコメ×建国×軍略の戦記ファンタジー

「猫征、気になるけど20話もあるのか……」
そんなあなたへ。
一話につき三行で、第一話から第二十話まで全部まとめました。
気になった話から読んでください。


第一話|猫が降ってきた
空から猫耳少女が降ってきて、顔を踏まれた。
「ありがとうございます!!」――黒獅子ワン、神の啓示を受ける。
彼女の居場所が世界にないなら、世界のほうを作り変えればいい。

第二話|俺の上司は女神
病に苦しむ獣人の村を救うため、ニアは命がけで薬を求めていた。
ワンは奴隷商を襲い、獣人を解放し、薬を強奪――「俺の上司は女神だ」。
そして報酬として求めたのは、ニアの頭を撫でることだった。

第三話|チェンジで
「頭を撫でたい」は、獣人社会ではほぼ求婚だった。
出会った翌日に無自覚プロポーズを済ませたワンは、猫耳族の隠れ里へ。
美女アトラに腕を絡められても即答――「ニアさんとチェンジでお願いします」

第四話|尻尾の保護なら信用できる
究極の尻尾を求める変態テイルが、獣人の村で捕まった。
王国軍五十人が迫っていると告げ、目的を問われて一言――「尻尾の保護です」
「なら確かだな」――ワンと未来の天才軍略家、初対面で殲滅戦を始める。

第五話|死んでもいい人なんて、いるはずない
王国軍と正面から戦えば負ける――なら、コボルトの群れとぶつければいい。
ワンとテイルは獣人たちを囮にした、とんでもない誘導作戦を開始する。
そして出発前、ニアが耳元で何かを囁いた瞬間――黒獅子の士気が限界突破した。

第六話|その尻尾に意味はない
王国軍を挑発し、獣人の痕跡を残し、ワンは敵全軍を森の奥へ引きずり込む。
「勇敢な無能は一番扱いやすい」――黒獅子の読み通り、ガベージ隊長は罠へ一直線。
ちなみに狼煙の前にアトラが尻尾を振ったのは、テイルが見たかっただけである。

第七話|君が敵なら、君の味方になる
コボルトとの戦いで壊滅した王国軍を、ワンは黒獅子として最後まで刈り取る。
奴隷商人の拠点も「全部、潰す」と決め、ニアの前で世界すら敵に回す覚悟を誓う。
「君が敵なら、君の味方になる」――自由の地《ニイアス》が、ここに生まれた。

第八話|ニアへの贈り物には、金がいる
人口は増えた。畑もできた。兵もいる。
だがテイルに「ニアさんが喜ぶ品にも、お金がかかりますよ」と言われた瞬間、ワンの経済政策が始動する。
そして見つけた商人は、まさかの狸族の族長――モ・タヌキ・フ。後の“タヌキ親父”である。

第九話|黒獅子、商売を始める
王国にも帝国にも属さない狸族の自由商人モヌキフ商会と、ニイアスがついに手を組む。
交易路と引き換えに、ワンが手に入れたのは種、苗、物資――そしてニアへの髪ブラシ。
その夜、獣人を守る王国軍の女将軍ジャンスと、黒獅子はまだ互いを知らずにすれ違った。

第十話|建国史に「ぽにゅん」は必要なのか
人間と獣人の混血・イフがニイアスへ派遣され、共存の可能性が初めて形になる。
ところが帰還直後、ワンは事故でイフの胸へ突っ込み、アトラから「有罪」を宣告された。
後世の歴史書は、その日を《幸運と祝福の場所・ニイアス》正式成立の日と記している。

第十一話|彼女のウサ耳を守りたい
帝国で使い捨てにされていた獣人兵たちが、家族を連れてニイアスへの亡命を求めてきた。
隊長ラビが帝国を捨てた理由を問われ、答える――「彼女のウサ耳を守りたいんだ!」
「お前、採用!」――こうしてニイアスに、新たな軍事力とウサ耳派の英雄が加わった。

第十二話|そこに尻尾が必要か
帝国から逃げてきた獣人兵とヒューマン、その家族を受け入れるか――ニイアスは初めて大きく割れた。
ニアは問う。「獣人しか受け入れないなら、王国や帝国と何が違うのですか?」
そして生まれた建国理念――「信用とは過去、信頼は未来。己の目で見て、己で決めよ。そこに尻尾が必要か」

第十三話|なんで止めるんだ?
王国は南のヴェルゴ要塞へ、帝国は北のハイデン砦へ――百年戦争が同時に大きく動き始めた。
帝国の内通、街道封鎖、獣人部隊の使い捨てまで明らかになり、ニイアスにも戦火が迫る。
「どちらを止めるにしても厳しい」――そう言うテイルに、ワンは笑った。「なんで止めるんだ?」

第十四話|戦場の外でも、戦争は始まっている
帝国はスカム子爵の裏切りを前提に王国軍を誘い込み、王国は何も知らずヴェルゴ要塞へ進軍する。
その裏でニイアスは、両軍の動きと密約を読み切り、すでに別の戦場へ手を伸ばしていた。
変体の魔法を使う諜報部隊《ラ・イフ》――歴史に残らない戦いが、ここから始まる。


第十五話|森から一歩も出ず、戦争を動かす
帝国がハイデン砦へ攻め込み、王国もヴェルゴ要塞攻略へ――ついに「北部争乱」の火蓋が切られた。
その裏でモフは、ラ・イフが掴んだ密約の証拠をジャンスへ売り込み、スカム子爵討伐へ王国軍を動かす。
「森の中から一歩も出ずに、盤面そのものを塗り替えようとしています」――ニイアス、百年戦争へ本格介入。

第十六話|戦争が始まると、人が流れてくる
ジャンスはスカム子爵邸を包囲するが、一本の矢をきっかけに戦闘が勃発――スカム子爵は裁判を受けることなく死亡した。
一方ニイアスには、戦火を逃れた難民が次々と押し寄せ、わずか一カ月で千二百四十七人を受け入れる。
その中心でワンは、戦争を動かした英雄ではなく、鍋を握って難民へスープを配っていた。


第十七話|聖女の昼寝を妨害した者は重罪とする
王国と帝国が互いの要塞を血で削り合う一方、ニイアスは難民を受け入れ続け、ついに国家としての制度作りへ進み始めた。
ニアは「獣人とヒューマンが等しく暮らす場所」を掲げ、ワンは即断する――「ニイアスの法を作る」
こうして生まれた基本法の最古資料には、なぜか「聖女の昼寝を妨害した者は重罪」と残されている。

第十八話|勝ったのは、たぶんニイアス
帝国はハイデン砦を奪い、王国はヴェルゴ要塞を奪う――そして両軍は、焼けた砦と大量の死者だけを手にした。
その隙にニイアスは難民と離脱兵を受け入れ、半年の猶予を得て人口三千人規模へ急成長する。
なお、その国家戦略が決まった直後、黒獅子ワンは聖女手作りのクッキーに「うまい!」と全力で喜んでいた。


第十九話|建国者、書類から逃げる
人口三千人。役所を作り、雇用を生み、交易を始めた。
建国者ワンに待っていた最初の仕事は――大量の書類への署名。
嫌なので、敵国の補給部隊を襲いに行くことにした。


第二十話|襲いすぎました
「今月だけで二十件だと!」――帝国軍、謎の森林部隊にブチギレる。
犯人の黒獅子ワンはニアに髪飾りを渡したあと、テイルに説教されていた。
そして帝国は、よりによって獣人兵をニイアスへ送り込む。
第一話では、猫耳少女が空から降ってきただけでした。
第二十話では、人口三千人の都市国家が敵国の補給線を破壊しています。
……どうしてこうなった。
三行じゃ意味が分からなかった?
正常です。
第一話はこちら。
◾️第二十話のニイアスの街並み

◾️ラビ何やってんの!?🐾




