読書メモ:八咫烏外伝⑫なつのゆうばえ
一気読みした八咫烏シリーズの読み直し、外伝の「烏百花 白百合の章」の6話目「なつのゆうばえ」。若き日の大紫の御前・夕蝉が、弟の融を溺愛するに至るまでの話。
南本家の泥沼事情は、藤原一族を思わせる陰鬱さ。湿度高め。
夕蝉は「愚かな有能」の兄に父を殺され、母は父に殉じた。
兄と兄嫁は「歯に衣着せぬもの言いこそが親しさの印だと勘違いしている」ような人たち…いるよね、こういう人。できるだけ距離を取りたいけれど、職場だとそういう訳にもいかないからストレス発生装置だわ。
そして、この兄と兄嫁が、浜木綿の父母だという。
将来の夫となるはずの皇子は、「夕蝉の知る貴族のいずれよりも劣って見える」宗家としての自覚も威厳も感じられない男。
こんな、誰ひとりわたくしを愛さない、誰ひとりわたくしを理解しない世界で、わたくしは一生を過ごさねばならぬのか。
特に、生きたいと思う理由はない。ただ、むなしさを理由に死ぬのは、あまりに悔しい。
ゆるやかな絶望の中で、それだけを理由に、夕蝉は生き続けた。
そして融のある行為を見かけた夕蝉は、融に「自分の生きる意味」を見い出す。
うーん、どろどろ。
恐ろしい。
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八咫烏シリーズ読書メモ
